学術誌と出版

AJI ブッククラブを始めました!

 2022年4月、「AJI ブッククラブ」を始めました。これは、広く「アジア・日本研究」に関わる書物について紹介したり議論したりするシリーズです。 研究者の誰もが好きな書物・書籍・文献について語り合う場を持つことは、とても楽しいと思います。

 AJI ブッククラブの中には、新刊紹介の「ブックローンチ」シリーズ、研究史上の重要文献などについて著者にお話しを聞く「著者は語る」シリーズ、歴史上の古典や現代の重要文献について、研究者のお話しを聞く「重要文献を語る」シリーズがあります。

ブックローンチ、続々と開催!

 ブックローンチは「新刊案内」です。研究所メンバーの著書や、研究所の活動に関わって生まれた書物、アジア・日本研究に関する新刊書籍などを、著者・編者・訳者に語っていただきます。

 新しい本について、作り手という、一番その本のことをよく知っている人のお話しを直接聞くことができる機会です。院生や若手研究者にとって有益なことも聞くことができるチャンスです。

 お誘い合わせの上、ご参加ください。

《AJIブックローンチ》シリーズ・既開催分の報告

開催日 著者/タイトル
23 2024年12月13日 十河和貴『帝国日本の政党政治構造:二大政党の統合構想と〈護憲三派体制〉』(2024年7月、吉田書店)
22 2024年11月13日 五十嵐美華『人権保障と地域国際機構:アフリカ連合の役割と可能性』(2024年2月、晃洋書房)
21 2024年7月29日 根岸貴哉『野球のメディア論:球場の外でつくられるリアリティ』(2024年3月、青弓社)
20 2024年5月28日 角田燎『陸軍将校たちの戦後史:「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容』(2024年3月、新曜社)
19 2024年3月14日 須永恵美子・熊倉和歌子 編著『イスラーム・デジタル人文学』(2024年2月、人文書院)
18 2023年12月15日 向静静『医学と儒学:近世東アジアの医の交流』(2023年5月、人文書院)
17 2023年12月6日 Muhammad Riza Nurdin, Islamic Civil Society Organizations and Their Role in Forming Social Capital in Disaster-Hit Communities in Southeast Asia: The Cases of Aceh and East Java, Indonesia (March 2023, Ritsumeikan Asia-Japan Research Series) 
16 2023年10月18日 Nobuyuki Matsui, Evolving Postwar Japanese Philosophy: Odyssey Towards a Contemporary Cosmology through the Human Body, Technology, and Ecology (March 2023, Ritsumeikan Asia-Japan Research Series)
15 2023年6月22日 望月葵『グローバル課題としての難民再定住: 異国にわたったシリア難民の帰属と生存基盤から考える』(2023年3月、ナカニシヤ出版)
14 2023年7月19日 靳春雨『中國・日本の詩と詞:『燕喜詞』研究と日本人の詩詞受容』(2023年3月、朋友書店)
13 2023年5月31日 矢藤優子・吉沅洪・孫怡 編著『現代中国の子育てと教育:発達心理学から見た課題と未来展望』(2023年3月、ナカニシヤ出版)
12 2022年12月14日 Nobuyuki Matsui ed., Globally Shared Common Sense from the Philosophy of Imagination: Bridging Eastern and Western Perspectives (September 2022, Asia-Japan Research Institute, Ritsumeikan University)
11 2022年12月7日 小田なら『〈伝統医学〉が創られるとき:ベトナム医療政策史』(2022年3月、京都大学出版会)
10 2022年10月26日 永野聡・劉慶紅・三上己紀 編著『ロングライフ ウェルネス―ジェロントロジーの理論と実践』(2022年4月、論創社)
9 2022年9月30日 中戸祐夫・崔正勲 編著『北朝鮮研究の新地平:理論的地域研究の模索』(2022年3月、晃洋書房)
8 2022年7月13日 帯谷知可『ヴェールのなかのモダニティ:ポスト社会主義国ウズベキスタンの経験』(2022年1月、東京大学出版会)
7 2022年6月22日 李眞惠『二つのアジアを生きる:現代カザフスタンにおける民族問題と高麗人(コリョ・サラム)ディアスポラの文化変容』(2022年2月、ナカニシヤ出版)
6 2022年6月15日 桐原翠『現代イスラーム世界の食事規定とハラール産業の国際化:マレーシアの発想と牽引力』(2022年3月、ナカニシヤ出版)
5 2022年6月9日 ウェンディ・パールマン『シリア 震える橋を渡って:人々は語る』(2019年8月、岩波書店)
4 2022年6月3日 ハシャン・アンマール『イスラーム経済の原像:ムハンマド時代の法規定形成から現代の革新まで』(2022年2月、ナカニシヤ出版)
3 2022年5月25日 渡邊駿『現代アラブ君主制の支配ネットワークと資源分配:非産油国ヨルダンの模索』(2022年2月、ナカニシヤ出版)
2 2022年5月20日 鳥山純子『「私らしさ」の民族誌:現代エジプトの女性・格差・欲望』(2022年3月、春風社)
1 2022年4月20日 Ai Kawamura, Grafting an Islamic Sapling onto the Tree of Legal Dispute Resolution: Alternative Approaches to Civil Disputes in Islamic Finance in the Gulf and Southeast Asia(December 2021、AJI Booksシリーズ)

「著者は語る」、スタートしました!

 以前に刊行され、研究史では大きな意味を持っているけれども、若手研究者から見るとすでに「古典」となっているような書物は、たくさんあります。著者が活躍しているのですから、昔の本というわけではありませんが、若手から見ると、時には自分が生まれる前に出された本だったり、物心つく前に出された本だったりします。そうすると、歴史のオーラをまとった文献として、なかなかパーソナルな実感を得られないです。

 そんな本について、著者のお話を直接聞き、質問もできる機会があったら、どうでしょうか。素敵ではありませんか?

 というわけで、以前に出た重要な本について、著者に語っていただくというシリーズを始めました。

 第1回は、末近浩太先生の『現代シリアの国家変容とイスラーム』(2005)にご登場いただきました。この本は、20世紀に歴史的シリア(シャーム)が「小シリア群」に分割されていく過程を論じ、その流れが今後も続くということで、21世紀のさらなるシリア分割(=2011年からのシリア内戦)を予言した書と言えます。

 このような本のことを、著者から直接聞ける機会です。是非、ご参加ください。

《著者は語る》シリーズ・既開催報告

「重要文献を語る」、企画中!

 もう1つのシリーズは、「重要文献を語る」です。これは歴史上の古典、あるいは研究史上の重要文献について、著者ではなく、その文献に詳しい研究者に語っていただく「重要文献を語る」です。

 現在、企画を練っていますので、秋にはシリーズを開始する予定です。乞うご期待。